January 30, 2018

BEYOND CHAMBER MUSIC -Series #1-

先日、始動した私の室内楽シリーズ"Beyond Chamber Music"
第一回目の公演にご来場下さった皆様、
また、色々な場所からお気持ちを届けて下さった皆様、
本当にありがとうございました

初めてのプロデュース公演ということで
何もかもが想いまで追いつかず
色々な場面で、追いかけたつもりが逆に追われてしまっていて
気持ちの糸が何度も切れそうになりましたが
色々な方々に支え、助け、導いて頂き
また予約時点で完売となった沢山のお客様に迎えて頂き
なんとかこの日を終えることができました

この"Beyond Chamber Music"というタイトル
直訳するならばそのまま室内楽の向こう側へ、という意味ですが
クラシック音楽というのは究極
何百年も前に見ず知らずの人によってつくられた曲を
自らの身体を通して時代に伝えていくことで
楽器や奏者自身は
それを伝えるための道具でしかないと私は思っているのですが

楽曲そのものや、音、楽譜がそのまま聞き手に伝わって
良い曲だな、こんな曲なんだな、と感じて頂くのでは
まだまだ足りなくて
その曲の向こう側、音符のその先、
その曲の向こうにある世界や人生、景色や想い、また匂いなど
それが何なのかはわからないけれど
その音符を超えた向こう側が誰かに届いてこそ
初めて何かを成すのではないかなと思っているので

その音楽の向こう側を聴いて下さる人には見て頂きたいし

できることなら見せたいし
何より自分自身がその先を見たい、見るんだという想いから
このタイトルにたどり着きました

また毎回ゲストをお迎えしコラボレーションしていくという
室内楽シリーズにこだわりたかったのは
二人であったり三人であったりすることで
ソロでは、一人では見ることができないかもしれないその先の世界、
また違った風景をみることができたらという願いからです

そして記念すべき第一回目
一番最初に一緒にその景色を見に行くなら
絶対にこのお二人だろうと思った方々と
嬉しいことに昨夏ぶりの再共演が叶いました
今回も音楽を通して私のわがままにじっくりと向き合って下さり、
時に意見し合い、また最後には深いところで
どっぷりと同じ方向を向いて支え、進んで下さった
ヴァイオリニストの鍵冨弦太郎さん
そしてそんな私たちのデュオを
穏やかな眼差しのピアノでいつも包んで下さった
ピアニストの河野紘子さん
楽しい楽しい時間でした
本当にありがとうございました

誰かと何かを"共有"することは

ほんとうの意味では難しいと私は思っています
例え同じ気持ちを持っていても
それが自分と全く同じ分量かどうかというのは
どう頑張ってもわかり得ないものです
でも誰かと音楽を共有するということ
何かの気持ちを、精神を共有するということ
そこから生まれるものをできれば信じたいなと思った夜でした
アンサンブルをすること、室内楽を通してみる世界のその意味を
これから続いていくこのシリーズを通して
もっともっと知っていけたら幸せに思います

ご来場下さった皆様、お世話になったスタッフの皆様、

増田プロデューサー、コスチュームデザイナーの大門真優子さん、チーム衣弦の皆様、
グラフィックデザイナーのMalyco Mizumuraさん、アンコールの編曲をして下さったピアニスト・作曲家のはらかなこさん、
そして共演者のお二人、
この場を借りて改めて御礼申し上げます
本当にありがとうございました

また次回、会場で皆様にお会いできることを楽しみにしています*