October 11, 2010

私は寒いところが好きだ
寒く暗くモノトーンで夜の長い冬が好きだ
そういう場所、そういう国でしか
私は創作ができない
孤独色が強くなければ芸術が生まれてこない
太陽がサンサンとしていて
ビビットカラーの溢れる
テンションの高い明るい街では
なにも生まれてこない

練習さえ
夜遅く街全体が静んで
世の中に溢れている気が落ち着いてからしか
集中することができない
音がうまく聴けない

そういう意味でもヨーロッパは
やはりクラシック音楽向きだなぁと思う
日本語は上から下へ読む
ヨーロッパの言葉は
左から右へ言葉を読む
楽譜も同様左から右へ読む
もうこの時点で歴史が違う

日本やアジアの演奏家たちは
そんなクラシック音楽の歴史の薄さを
なんとか努力や練習量を増やし
技術でカバーしようとしている気がする

でも決して
血は変えられないということを
日々感じる 

演歌を聴いて育ったつもりはなくとも
血が演歌を知っている
どんなに海外生活が長くても
血は日本人だな、と感じさせられる
それがクラシック音楽をやる上で
越えられない壁でもある
海外に出て体の中に
自然にクラシックが流れている人種を
目の当たりにしてしまうと
もうこれは血との戦いだな、と
感じさせられてしまう 

だから
日本やアジアの街並みとは全く違う
空気の違う街を歩きながら
少しずつ自然な音楽を体に流す
たまのお散歩

冬はマイナス20度まで下がるシカゴだから
 冬の寒さにはまだまだ程遠いけれど
少しずつ秋の気配のする
今日この頃