October 18, 2012

サンフランシスコにある
海沿いのレストラン

遠方からの来客があり
こんな時しか機会がないからと
父と母が新婚旅行で来たというこのレストランに
それ以来、実に云十年以上ぶりに行くことになった

月日がまわりまわって
まさかその場所に私が一緒に行くことになる日が来るなんて
海の向こうに見えているのは
昔、シカゴの有名なギャング
アル・カポネが収容されていたとも言われている
アルカトラズ島

壮大な海を目の前に頂くクラムチャウダーは
ある意味とても現実的だけれど
それはそれは美味しくて

無理に作られた丁寧な接客でも
また無愛想でもなく
ただ淡々とお料理を運んできてくれるウエイター
日本でのように嫌でも無意識に
他の人たちの会話が理解できてしまう煩わしさも
ここにはなくて
海の音や他の人間のたてる音、そして言葉も
すべてがただの音に聞こえる
こういうことが私にとっての
外国で暮らす好きなところの一つでもある

他人のことなんてどうだっていい、と
いい意味でほんとうに思える瞬間

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