October 03, 2013

Masterworks I ~Operatic Love~

イリノイ州、ワシントン州と数日おきに飛び
同じ国内でも時差のある広いアメリカで
微妙な時差ボケの中始まったオペラ公演

2,000人を越える客席はほぼ満席で
フィナーレではスタンディングオベーション
外国のお客さんの素直な反応はいつも豪快で
弾いている方は気持ちが良いのだけれど

でもなんだか
歌い手や演者を見ていて
私はここまで自分自身に興味を持てないし
自分をそこまで好きにはなれないなと思ってしまう

演奏をする者、演技をする者、
自分の精神や想いを裏方ではなく表で表現する者
そういう人前で芸をする人間特有のナルシシズムが
私と音楽との距離をいつも遠ざけてしまう
でもそれはきっと
私がまだ本物を知らないからなんだろう

知らないことだらけだから
生き続けていくことをやめられないのだし
知らないことを知りながら
少しずつ死に近づけるのならば
人生は辛くて当然と思っていたけれど
もしかしたら
それは素晴らしいことなのかもしれない

日々の経験に感謝しながら

September 19, 2013

シカゴのWater Tower Place近く
ドンピシャなセンスで
私の大好きな内装のレストラン
ラルフ・ローレンのショップに隣接する
ラルフ・ローレン・レストラン

ランチから既にたくさんの人
記念日などのお祝いごとで来ている人たちもちらほら

サーバーの方々の制服はもちろん
食器もすべてラルフ・ローレン
Ralph Lauren Restaurant @ 115 East Chicago Ave.
シカゴ時代お世話になった楽器屋さんのフロント
たくさんのアーティストの方々の写真とメッセージ

奥にある真っ赤な壁の小さなサロン(写真下)では
リハーサルやマスタークラスをさせて頂いたりして
飾られている絵画の一つが
恩師であるザハール・ブロン氏に
なんとなく似ている気がして
いつもピリッと身が引き締まる思いだった

私が初めてこの楽器屋さんを訪れた時
ヴァイオリンドクターに
「パジャマでこの辺を歩いているヴァイオリンのすごい子が最近来た、という話を噂を聞いていたけど、それは君のことだったんだね!」と
笑って言われたのを今も覚えている
きっとヴァイオリンではなくパジャマのすごい子だったのだろう… 

当時私は、大学と中でつながっている寮に住んでいて
家と大学という区別も全くなく
またこの楽器屋さんも大学の隣に位置していたので
パジャマにしていた、お猿さんのついた何ともダサすぎる
某アーティストのツアーTシャツをほぼ毎日のように着ていて
当時組んでいたクァルテットのリハーサルにも
毎度のようにそのTシャツを着て行っており
「君は猿が大好きなんだね。」とメンバーによく言われていた
特に猿が大好きだったわけではもちろんなく笑
きちんと身なりを気にするような気持ちの余裕も時間も
単純にほんとうになかったんだなぁと思う

そんな当時の私は、こんな素敵な空間へも
そんなお猿のついたパジャマで来てしまっていたんだなぁと
髪振り乱して生きていた頃の自分への想いと少しの恥ずかしさに
なんとなく歯がゆい思いがする
Bein & Fushi Inc. @ Fine Arts Building

September 18, 2013

久しぶりのシカゴ
大好きな老舗楽譜屋さんにて
掘り出し物の楽譜を調達

ドアを開けた瞬間の楽譜の匂いは
本屋さんや図書館のそれともまた違う
不思議なもの

そんなことを感じる余裕すらなく
ただひたすらに授業の合間を縫ってここへ駆け込み
目の前で必要な楽譜だけを探していた
忙しかった学生時代を思い出す

ここでくるくる回る椅子に座りながら
ゆったり働くおじいさんは
どんな珍しい楽譜も探してきてくれる

Performers Music @ Fine Arts Building on Michigan Ave.

August 15, 2013

長いようであっという間だった2週間が経ち
Green Valley Chamber Music Festival閉幕

色々な素敵な出逢いと発見があり
また自分自身も新しい気持ちが見えた日々でした

なかなかこれだけの数の生徒を一気にサポートし
一緒に演奏する機会は今まであまりなかったけれど
最後のコンサート終了後
生徒さん、そして教授陣の皆に、
ここに来て、サポートしてくれてありがとう、
Thank you for your leadership!と言われたことで
救われた気持ちになりました

初めは何がなんだかよくわからず
緊張感でいっぱいだった生徒さんたちが
最終日に近づくにつれ
よし!オケや室内楽はどう弾くかわかってきた!というような
自信に満ちた表情で音楽をしているのを見るのも
私の幸せの一部であり
皆素直で一生懸命で
"良い"生徒を教えることだけが幸せじゃない
という意味が少しわかったような気がします

アメリカの"褒める"教育にも
初めてこのような形で直面し
何がほんとうの優しさかを考え
また、音楽家として生きていくこと
音楽家としてだけ生きていける人間の厳しさも
ほんとうの意味で考え直すきっかけになりました

色々な人間がいて
色々なやり方があり
色々な育て方がある

そもそもゴールなど存在せず
音楽でのゴールは一つじゃないし
色々な種類のゴールがあって
色々な見方、関わり方、
答えはたくさんある
そういうものを
まだ若く、ただ純粋に音楽に触れ
音楽が好きな生徒たちに
伝えられていたらいいなぁと思いながら

*写真*
(上)音楽祭中盤、室内楽のコンサートのあったGreen Valley Presbyterian Church
(中)Faculty concertゲネプロ風景。永年ロサンゼルスフィルコンサートマスターを勤めたA. Treger氏、ピアニストM. Suk氏、ヴァイオリニストOleh Krysa氏の息子であり指揮者のT. Krysa氏ら
(下)ほぼすべてのコンサートを行ったDoc Rando Hall