何十年?ぶりかのドイツ・Köln
当時11歳だった私
初めての音楽留学
言葉も地理も生活も知人も何一つ持っていない中
スーツケース一つ
母と二人きりでやってきたこの街
日々の生活の中
視界の先にはいつもこのケルン大聖堂があって
目の前に立つとクラクラする程の歴史の大きさと
圧倒的な恐怖感
子供ながらに
どうしてこんなに黒いんだろう、
不気味だなぁ、といつも思っていた
目の前に建つモダンな中央駅と
その後ろにそびえる合成のような大聖堂
懐かしいこの景色
グラミー賞授賞式
周りのミュージシャンは皆
レイ・チャールズや、マイケル・ジャクソン、エルビス・プレスリー、
フランク・シナトラ、ロット・スチュワート、ジョン・ウィリアムズ、
トーマス・ニューマン、ブライアン・マックナイトなどを手がけてきた方々
私は音楽のジャンルもフィールドも違うので
なぜ私が呼ばれたんだろう?状態だったけれど
私はクラシックよりもこういう音楽を聴いて育ってきたので
皆の極めきった"楽器"のうまさに刺激をもらいながら
"バンドマン"と聞くと
その言葉が含むナルシシズムなイメージから
あまり好きな種類の人間ではなかったけれど
皆仙人のようなおじいさんたちばかりで
若い頃からの人生の日々を
毎日狂ったように楽器を触ってきたんだろうということが
複雑でない感じに、でもしっかりと伝わってきて
そして歳を重ねた今も
音楽をしている瞬間が楽しくて仕方がないんだと
静かに想っている感じが
納得せざるを得ない素敵さで
リハーサルの休憩中
ギタリストが突然ジミ・ヘンドリックスの"Foxy Lady"を弾き始めると
ベーシストがそれにのり、そしてバンドメンバー皆がのっていき
ジミヘン一色になったり
リッキー・マーティンの衣装のサイズがどうしても気になってしまったり笑
カルロス・サンタナにギターソロを弾きながらウィンクされたりしながら笑
異空間ながら終始ドキドキする素敵な時間でした
そして改めて
一つの大きなイベント
また一人一人のアーティスト、ミュージシャンをサポートして下さる
膨大な数のスタッフの皆様に
尽きない感謝を込めて
先日行われた
エリオット・カーター トリビュートコンサート
今まであまり深く関わることのなかった現代音楽
私はアメリカの音楽大学で学んだこともあってか
あまりメジャーでない作曲家の曲であっても
アメリカ人作曲家の作品に触れる機会は
ヨーロッパで学んでいた頃より多かったように思う
けれどただ"勉強"をした曲と実際に自分で演奏するのでは
もちろん全然別物の難しさがある
今回弾かせて頂いた
"4 Lauds for solo violin"という曲
4つの小品が集まっている中の一つが
米テロ9.11の時に書かれたということもあって
音を出す度にいろいろな情景が浮かんでしまい
何度も楽器や精神をもっていかれてしまったし
様々な楽器編成を織り交ぜながら
すべてエリオット・カーターのプログラムで構成されたコンサートを通して聴き
最後の最後に残った気持ちは
やっぱり「よくわからない」だった
真面目な気持ちでほんとうにそう思った
自分がわかっていないということを知っている人間の方が
わかっていないことを知らない人間より良いなどと言われているけれど
「わかる」ことなんて他人とは共有できないし
自分以外の人間とわかり合うことなんて
永遠にないと私は思う
例えお互いがわかるよ、と言い合っても
その人の理解の分量は
自分のそれと完璧に一緒ではないのだから
そしてそんな馴れ合いは求めてもない
「わかる」と言う人のわからなさ
そして「わからない」と言う人の深いわかり方
結局何事も
わからないということがすべてなんじゃないかと思う
今回改めて関わった現代音楽やカーターから受け取ったものは
そんなメッセージだった気がする
次はラテングラミー賞授賞式でのコンサート
また新しい音楽、新しい世界がある
*写真*
フライト前、搭乗ゲートにて。
野球やサッカーを差し置いて、アメリカでは何よりも人気なスポーツ、
アメフトの試合に夢中なアメリカ人たち。
米ハーバード大学医学部を出て
医者にならなかったという石川善樹氏のプレゼンテーション
The Secret of Life: What Really Makes Us Live Longer
様々な研究の結果
人間の寿命を延ばすものは
運動をすることでも、太りすぎないことでも、
お酒を飲み過ぎないことでも、煙草を吸わないことでもなく
「つながりを持つこと」(Social Relatiohship)だという
例えば自分が入院してしまった時
一度、ではなく、何度もお見舞いに来てくれる人が
あなたは何人いますか?という話に
急性心筋梗塞で入院した患者さんの半年以内の死亡率は
誰もお見舞いに来てくれない患者さんが69%
サポートしてくれる人間が一人いるだけで43%
二人以上いるだけで26%まで下がるという
色々な場所で良く耳にし
また手放しに大切だと言われている
「つながり」
感謝することは別物とし
誤解を恐れずに言うならば
私はつながりや絆という言葉が好きではない
人生はそんなに長くないから
"みんなと仲良く"なんてしている時間はないし
つながりを大切にするどころか
気のないところに無駄な縁をつくらないよう
心がけている
それはもしかしたら違う方向から
ほんとうに大切なつながりだけを
守っていることになるのかもしれないけれど
与えられた以上に長く生きたいとも思わないし
長く生きている人間の方が経験が豊富なわけでも
それらを含め偉いわけでも全然ない
でも改めて
人間と人間との関わり方
距離の取り方を考える
日時:2013/10/30(水)
会場:Doc Rando Recital Hall, U.S.A.
曲目: Elliott Carter : Triple duo 他
"Live at GVPC Concert Series ~15th Season~"
日時:2013/11/03(日) 19:30開演
会場:Green Valley Presbyterian Church, U.S.A.
曲目:Beethoven : Piano Concerto No. 3 with String quartet
"Elliott Carter Tribute Concert"
日時:2013/11/05(火) 19:30開演
会場:Doc Rando Recital Hall, U.S.A.
曲目:E. Carter : "Rhapsodic Musings" from 4 Lauds for solo violin
"Latin Person Of the Year GRAMMY Awards"
日時:2013/11/20(日)
会場: TBA
曲目: TBA